「……暇だ」
男がそう呟いた。深緑の短髪に質素な服装をしている、一見地味な青年である。
だが、髪と同色の右目とは対照的な、真紅の左目が印象的だ。特にこの薄暗い空間の中では、壁についている幾つかの電球より浮かび上がって見えるようだ。
上を見上げてみる。果てしなく闇が続いているだけで天井は見えない。男は寝転がり、ため息をついた。
「いつになったら来るんだ、お前の相棒は」
男は問いかける。しかし、部屋には男以外誰もいない。この光景はあまりに異様である。
「いつもその繰り返しだな。ったく……はっきりしてから言え」
どうやら誰かと会話はしているようだ。呆れたように立ち上がると、男は近くに置いてあった剣を手に取る。
すると突然、光が差し込んだ。扉が開いたのだ。
そこから現れたのは少女である。ただし、人間ではない――ロボットである。
「来たか」
「メイレイヨリ、セ――」
「洗脳しなくても、お前らについていくことぐらいはできるが」
「……了解。デハ、SR-0241号室ヘ」
そう言ってロボットは方向を変えて進みだした。男はその後についていきながら、横に向かって呟いた。
「……今回を含めて、一体何万回目だろうな」
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